お疲れ様です!

今回は「ドルストレート分析」について少々お話してみたいと思います。

 

FXの通貨ペアには「合成通貨ペア」と呼ばれるものと、「ドルストレート」と呼ばれるものがあります。

例えば「EUR/JPY(ユーロ円)」は合成通貨ペアです。

合成通貨ペアとは、簡単に申し上げますと、このように「USD(米ドル)」を介さない通貨ペアとなります。

これに対して「EUR/USD(ユーロドル)」のような、「USD」を介する通貨ペアをドルストレートと呼びます。

 

今回のテーマである「ドルストレート分析」の考え方において、ここからが重要なのですが、実は「EUR/JPY」を取引しようとした場合、「EUR/JPY」という単独の通貨ペアがあるわけではなく、「EUR/USD」と「USD/JPY(ドル円)」のドルストレート同士を掛け合わせてレートを算出しています。

ご参考までに「EUR/JPY」の算出方法は以下の計算式となります。

 

上記の計算式からもお分かりのとおり、合成通貨ペアである「EUR/JPY」のレートはドルストレート同士の相関関係を反映して作られていると考えることができます。

「ドルストレート分析」はこのことに着目した分析方法であり、すなわち「ドルストレート分析」とは、合成通貨ペアをトレードする際にドルストレート同士の相関関係を分析することにより、最適なエントリータイミングを計る分析方法となります。

 

では、ここで「ドルストレート分析」に関しまして大きなヒントを差し上げます。

これは「EUR/JPY」に限らず、合成通貨ペアをトレードする際のトレード全般に関わるヒントになりますので、非常に有益ではないかと思います。

 

「EUR/JPY」のレートを構成しているドルストレート、すなわち「EUR/USD」と「USD/JPY」の相関関係は、「USD」がメインで相場を引っ張ることが多いため、逆相関の関係性となります。

逆相関の関係性とは、例えば下記の図のように「EUR/USD」のレートが上昇すれば、「USD/JPY」のレートは下落することになります。

 

それでは、次に下記の図のように「EUR/USD」のレートが上昇し、「USD/JPY」のレートにあまり変化がない状況を想像してみて下さい。

両通貨ペア同士には、もともと逆相関の関係性があるわけですから、この相関関係の乖離は、いずれ是正される可能性が高いということになります。

そうであるならば、この相関関係の乖離はチャンスと考えることができます。

 

では、この相関関係の乖離が是正されるパターンを考えてみましょう。

下記の図の「パターンA」のように、【上昇した「EUR/USD」が反転下落することで乖離を是正する】

もしくは

下記の図の「パターンB」のように、【「USD/JPY」が下落することで乖離を是正する】

選択肢はこの2つに絞られます。

 

そして、ここで考えて下さい。

この「パターンA」「パターンB」の2つの選択肢のどちらを取っても、「EUR/JPY」にとっては下落要因となります。

通常、レートが上がるか下がるかは「50:50(フィフティ・フィフティ)」ですが、この相関関係に乖離が起こった場面に限って申し上げますと、この「50:50」が崩れます。

このように相関関係の乖離を分析することが、「ドルストレート分析」の基本的な考え方であり、この「50:50」が崩れる場面こそ、私たちトレーダーが狙っていくべきポイントになるわけです。

 

では失礼致します。