お疲れ様です!トレーディングオフィスの富崎です。
今回は「裁量トレードか?システムトレード(EA)か?」というテーマで少々お話してみたいと思います。
私のツイッターをご覧いただいている方はご存知かと思いますが、私は、ほぼ毎日、裁量トレード(スキャルピング)でマーケットに参入していると同時にEA運用も行っています。
しかしながら、トレード界隈では、「裁量トレードか?システムトレード(EA)か?」と、あたかも二者択一のような考え方があります。
私に言わせれば、この考え方はナンセンスです。
わりやすい例としてマイナー通貨「AUD/NZD(オーストラリアドル/ニュージーランドドル)」を挙げてみます。
「AUD/NZD」は高い回帰性を持つ通貨ペアとして知られています。
回帰性とは「元の場所に戻る性質」という意味ですが、すなわち「AUD/NZD」はレンジを形成しやすい性質を持った通貨ペアになります。
下記は2014年から現在までの「AUD/NZD」の週足です。
実に8年以上もの期間、高値が1.1500近辺、安値が1.0000近辺のわずか1500pipsの値幅で推移しているのがお分かりになるかと思います。
見事なまでにレンジを形成していますね。
この「AUD/NZD」ですが、長期間においてレンジを形成しているのは、単なる偶然でしょうか?
答えは「ノー」です。
それにはきちんとした要因があります。
大きな要因は、オーストラリアとニュージーランド両国の経済の連動性が非常に高いという背景です。
両国の第一貿易国は中国です。
昨今の新型コロナウィルスや、米中対立の問題においても、同じように影響を受けるため、通貨ペアとして見た場合、互いに引っ張り合う関係にあります。
よってどちらかの通貨のみが急騰したり、急落することがありません。
両国のパワーバランスが余程大きく崩れない限り、この「AUD/NZD」の回帰性は失われないものと思います。
さて、このような通貨ペアを見つけた場合、皆様はどのようにして、利益に変えていくことをイメージされるでしょうか?
色々なご意見があるかと思いますが、私ならグリッド系ロジックを突っ込みます。
万が一、レートが想定レンジを外れた場合の対処法、ルール決めは必要ですが、「AUD/NZD」の背景を加味して、レートがレンジ内に収まる確率と、レートがレンジを外れる確率とを天秤に掛けた場合、私はレートがレンジ内に収まる方にベットします。
要するに、想定レンジ上限を1.1500近辺、下限を1.0000近辺として、グリッド系ロジックで利益を取りにいくということをイメージするということです。
ちなみにグリッド系ロジックとはあらかじめ想定したレンジ内に等間隔でポジションを取るトレード手法となります。
下記はグリッド系ロジックのトレードイメージとなりますが、レートの変動に伴って、連続してポジションのオープン・クローズを繰り返しているのがお分かりになるかと思います。
グリッド系ロジックは、マーケットが上昇しても下落しても収益化が可能なため、想定レンジ内で推移してさえいれば最強のロジックとなります。
では、グリッド系ロジックで利益を取っていくとして、この場合わざわざ手動で注文を入れていくかというと、ほとんどの方は手動ではなくEAに自動でトレードさせることを選択すると思います。
少なくとも私はそうします。
要するに何が申し上げたいかといいますと、「裁量トレード」と「システムトレード(EA)」を二者択一のように考えるのではなく、「裁量トレード」には「裁量トレード」にしかできないこと、「システムトレード(EA)」には「システムトレード(EA)」にしかできないことがあり、両者の特長をよく理解し、上手に棲み分けることが重要だということです。
私の例で申し上げますと、冒頭で述べましたとおり、私はほぼ毎日「裁量トレード(スキャルピング)」でマーケットに参入していますが、私のトレード手法では、値動きのクセであったり値動きの勢いなど、ある程度の経験を要するため、プログラム化が難しく、そういった場合は「システムトレード(EA)」には向かない分野ということになります。
しかしながら上記の「AUD/NZD」に対するグリッド系ロジックのように、明らかなエッジが存在し、単純作業に近い分野は逆に「システムトレード(EA)」が得意な分野となります。
24時間マーケットを監視し、レート変動があれば、きっちりオープン・クローズをミスなく繰り返してくれます。
おそらくこれを手動で行っていたら、居眠りして注文をすっ飛ばしてしまうでしょうね。
上記は少し極端な例であったかもしれませんが、このように、トレードには「裁量トレード」が得意とする分野、「システムトレード(EA)」が得意とする分野というものが存在します。
重複して申し上げますが、両者を二者択一的に考えるのではなく、両者が最大限のパフォーマンスを発揮できる分野で使っていくように考える方が建設的だと思います。
両者のパフォーマンスを最大限に引き出すことが、全体としてのトレード成績を向上させることは言うまでもありませんね。
「裁量トレードか?システムトレード(EA)か?」と考えるのはナンセンスですよ。
参考リンク:私のスキャルピング手法の1つをこちらで公開しております。
では失礼致します。