お疲れ様です!トレーディングオフィスの富崎です。

今回は「為替介入をまともに被弾した場合の考察」というテーマで少々お話してみたいと思います。

 

2024年4月29日と5月2日の2回に分けて政府・日銀による為替介入が実施されました。

為替介入の金額は、9兆7885億円。月間ベースでの円買いドル売りの為替介入としては過去最大規模となったようです。

1回目の介入は、159円60銭近辺から一気に約4円40銭幅の急落、2回目の介入は、157円60銭近辺から一気に約4円60銭幅の急落となっています。

どちらの介入も5円弱の急落後、一旦反発していますね。

本邦および米国の政策状況に目を向けますと、再び近い将来に為替介入を警戒しなければならない局面を迎える可能性が高いと言え、為替介入により市場が、そしてチャートがどういった反応を示すのかをインプットしておくことは有意義であると思います。

 

では、今回のような円買いドル売り介入に対して、ロングポジションを握ってまともに被弾した場合どうなるでしょうか?

少々考察してみたいと思います。

 

ちなみに、私はほぼ毎日、裁量トレード(スキャルピング)でドル円のマーケットに参入しています。

私の場合、ポジションの建値から6pips逆行した位置に自動ロスカットを設定しているわけですが、この場合6pipsの損失で済むでしょうか?

もし、6pipsの損失で済めば、業者様様だと思います。

 

おそらくは、現実はそう甘くはなく、為替介入のような価格の急変に対して、各業者の取引システムのスプレッドが拡大するものと思われます。

価格が急激に一方向へ動くと、注文が売りまたは買いのどちらかに偏り、一時的に流動性が失われます。

その様な相場環境では、インターバンク市場でどの程度レートが変動するのかの検討がつきませんので、スプレッドを拡大させて相場を落ち着かせるしかなくなります。

インターバンク市場のスプレッドが拡大すれば、当然のことながら各業者の取引システムのスプレッドも拡大するというわけです。

ロングポジションを握って、今回のような円買いドル売り介入を被弾した場合、各業者のスプレッドが一瞬でどの程度拡大するかは分かりませんが、可能性の問題として数十pips下で約定することも想定する必要があるかと思います。

特に私のようなスキャルピングで数十pipsの損失を被りますと、かなり痛いですね・・。

 

ですので、例えば今回のような円買いドル売り介入を警戒しなければならない局面を迎えた場合、いかにポジション保有時間が短いスキャルピングと言えども、ロングポジションは捨てて、ショートポジションのみでトレードを組み立てることを検討するのが、賢明な方法ではないかと思います。

為替介入の実施が近いのか否かは、レート水準や要人発言等から、ある程度推測できますしね。

 

では失礼致します。