お疲れ様です!
今回は「適正な運用枚数・ロット数」について少々お話してみたいと思います。
適正な運用枚数・ロット数とは、いったいどのくらいでしょうか?
投資の世界で最も有名なルールとして、2%ルールというものがあります。これは、トレードにおける1回のリスクを資金の2%以内に抑えるというものです。
例えばこのルールでは資金100万円、ロスカット値-100pipsでドル円のトレードを行う場合、運用枚数は2枚まで張ってもよいということになります。
そして口座資金に変動があれば、再計算を行い、次の運用枚数を決定していきます。
ある程度、理にかなったルールだとは思いますが、あくまで目安に過ぎません。
また、以前私は、弊社の「無料WEB講座」内で、特にEA運用におけるシステムトレードの適正な運用枚数・ロット数を定義したことがあります。
しかしながら、これもあくまで1つの目安に過ぎません。
私は適正な運用枚数・ロット数を決定するのに、確かに目安は必要ですが、それよりも個人差によるところが大きいと考えています。
理由は、間違いなく、リスク許容度に個人差が存在するからです。
仮にワンショット100枚に見合う資金を持っているとします。
普段ワンショット100枚でトレードを行っている人が、ワンショット1枚に枚数を落とした場合、少々含み損を抱えたところで、メンタル的ストレスはほとんどないと思います。
ところが逆に普段ワンショット1枚でトレードを行っている人が、いきなりワンショット100枚に枚数を上げた場合、通常の精神状態でトレードを行うことは難しいでしょう。
なにせ、これまでの100倍のスピードで損益が変動するわけですから、それは無理もありません。
ワンショット1枚の運用で利益が出せたからといって、ではワンショット100枚に枚数を上げれば、100倍の利益が出せるかと言えば、トレードはそんな単純な世界ではありません。
おそらくワンショット1枚の運用ではやらないような、早いタイミングでの利益確定や、遅いタイミングでの損切りをやってしまい、トレードに狂いが生じるはずです。
EA運用におけるシステムトレードに置き換えた場合ても、利益確定や損切りのタイミングがずれることこそありませんが、一時的なドローダウンにメンタルが耐えることができず、運用を継続できないなどの弊害が起こり得ます。
それが過去検証やバックテストで想定されるドローダウンの範囲内であってもです。
これらを踏まえ、適正な運用枚数・ロット数を決定する方法を考えるならば、まず2%ルール等の目安に沿って、暫定的な運用枚数・ロット数を割り出します。
次にその枚数・ロット数で想定されるドローダウンの金額を過去検証やバックテストより割り出します。
その割り出されたドローダウンを被った場合でもメンタル的に運用を継続できる、つまりは許容できるリスクであれば、それはあなたにとって適正な運用枚数・ロット数であると言えます。
逆にメンタル的に運用を継続できない、つまりは許容できるリスクを越えていれば、それはあなたにとって適正な運用枚数・ロット数とは言えず、見直しが必要ということになります。
裁量トレード・システムトレードによらず、過去検証やバックテストで有意性が確認されたトレードを継続的に繰り返すことにより、勝ちトレード・負けトレードが混在する中で、いかに利益を残していくかがトレードの本質です。
そうである以上、想定されるドローダウンの範囲内であるにも関わらず、運用が継続できないということであれば、せっかくの有意性が発揮されずトレードで勝つことが難しくなります。
まずは少々のドローダウンを食らったところで、メンタル的に運用が継続可能な枚数・ロット数からスタートさせることがトレードで勝つためには必要なことであると思います。
そして、トレードによってある程度の大きな利益を得たいのであれば、いずれ運用枚数・ロット数を上げていかなければいけません。
これはもう、現在の運用枚数・ロット数に慣れながら、徐々に許容できるリスクの範囲を広げていく他はないと思います。
いかに許容できるリスクの範囲を広げることができるかにトレーダーとしての適性があるように思うのですが、でも大丈夫です。
ある程度の範囲であれば、良くも悪くも、人間は慣れる動物です。
現在私は、基本1ショット100枚でトレードを行っていますが、もちろん初めから100枚を入れることができたわけではなく、1枚、3枚、5枚、10枚・・・と徐々に慣れながら、許容できるリスクの範囲を広げてきました。
EA運用によるシステムトレードにおいても同様で、0.1Lot、0.3Lot、0.5Lot、1Lot・・・と段階を経てきています。
誤解を恐れずに申し上げますと、よくトレードの教科書的なもので、負けて熱くなって運用枚数・ロット数を上げるのは超タブーとされていますが、実は私はそれも運用枚数・ロット数を上げる1つの切っ掛けだと思っています。
もちろん、このような運用枚数・ロット数の上げ方を推奨するわけではありませんが、負けて運用枚数・ロット数を上げることができるのもトレーダーとしてのある意味、適性だと思うのです。
通常であれば資金が減ることに恐怖を感じて、ロット数を下げる方が大半ではないかと思います。
ただし、負けて熱くなって普段やらないようなトレードを行うのは論外であることは、言うまでもありませんね。
とにもかくにも、ある程度の大きな利益を得たいのであれば、いずれ運用枚数・ロット数を上げていかなければならないわけですが、まずは少々のドローダウンを食らったところで、メンタル的に運用が継続可能な枚数・ロット数からスタートさせ、徐々に許容できるリスクの範囲を広げていくことが、トレードで勝つ近道であると思います。
少々のドローダウンを食らったところで、メンタル的に運用が継続可能な枚数・ロット数こそが今現在のあなたの適性な運用枚数・ロット数なのです。
では失礼致します。